全国俳誌協会 流派・傾向を越えた懇話会的な俳句の交流の場

全国俳誌協会

 -National Haiku Magazine Association-

平成23年度の活動 -全国俳誌協会-

 全国俳誌協会は、昭和三十八年に設立されて以来、流派、傾向を超えた交流の場を作り出すことをねらいとし、活動を続けてきた。
自己の俳句に対する厳しい姿勢を堅持しつつも、俳句文芸に対する別のアプローチを認め、それぞれの良さを認め会える関係を作り出すことが、創生期からのねらいである。自己の俳句に対する厳格さと、他に対する寛容とが、俳壇の現状を打破する出口であると信じて活動を続けている。  
近年は、電子メディアが普及し、俳句の世界も若い世代を中心にメールやSNSによる句会が広がりつつある。
電子ブックの句集も出始めており、俳誌の形態がこれから変化していくことは必然の様相を呈している。  
そうした中で、印刷文化としての俳誌はどのように継続されるべきであるのか。
これを真剣に考えていかなければならない時期に来ている。  そうした意味もあって、昨年から開始した編集賞には大きな意味が託されている。
この賞を、俳壇全体に広げていく努力が必要である。

 

四月八日に予定されていた第四十七回春季吟行俳句大会は、三月十一日の震災の影響を考慮し、中止となった。
浜離宮恩賜庭園を吟行し、月島教育会館で句会の予定であったが、すべて次の機会を待つことになった。


 

第十七回全国俳句コンクール
一月末に締め切った当コンクールには、八百を越える応募があり、協会賞二名、優秀賞三名、秀逸賞三名、佳作二十四名が選ばれた。

  • 協 会 賞
  • 寒紅やいま母でなく妻でなく
  • 文挟 綾子
  •  
  • 冬木立抜けて素直になっている
  • 星野 一惠
  • 優 秀 賞
  • 水底は終生見せず枯蓮
  • 川崎 和子
  •  
  • 凧引けば指に食い込む風の音
  • 西崎 久男
  •  
  • スワン帰る日少年にうすき髭
  • 山崎 政江
  • 秀 逸 賞
  • エプロンに産みたて卵春隣
  • 千葉 智司
  •  
  • 寒の月見えないものが見えてくる
  • 山本 公代
  •  
  • 押入れの中からどっと子供の日
  • 清島 久門
                 

 

六月二十五日(土)
「四十八回定期総会・俳句大会」を、JR秋葉原駅前の東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎第一会議室において開催。
総会では、新組織、行事等が審議され原案通り可決された。主な役職は次のとおり。

  • 会 長
  • 秋尾 敏
  • 副会長
  • 佐怒 賀正美 手塚 玉泉 能村 研三
  • 幹事長
  • 長島 喜代子
  • 事務局長
  • 佐藤 晏行
  • 監 事
  • 手塚 逸山 蔦 悦子
  • 顧 問
  • 有馬 朗人 荻田 礼子 神永 千代子 高野 ムツオ
     

その後は俳句コンクールの表彰式と俳句大会。俳句大会の結果は次のとおりとなった。

  • 第一位
  • 水馬力抜くとき雲に乗る
  • 河口 俊江
  • 第二位
  • 先生が真ん中にいる夏帽子
  • 佐々木 弘
  • 第三位
  • 丸洗いできぬ蜥蜴の尾のあたり
  • 久野 康子
        

十月二十七日
昨年創設した編集賞は、本阿弥書店と俳句図書館鳴弦文庫のご後援を頂き、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷において、授賞式・祝賀会を開催。
八十名を超える出席者があって盛大な式典となった。
 受賞誌は次のとおり。賞金の総額は十万円である。 受賞誌は次のとおり。賞金の総額は十万円である。

  • 編  集  賞 「天 為」(有馬朗人主宰)
  • 編集賞特別賞 「菜の花」(伊藤政美主宰)

審査委員には昨年に引き続き、俳人の池田澄子氏、近代俳誌の研究家である東海大学教授の伊藤一郎氏、また俳誌編集のプロである本阿弥書店の田中利夫氏の三氏にお引き受けいただいた。
選考にあたっては、まず、表紙、本文の文字の組み方、活字の濃淡、大きさ、行間、そして俳誌の特徴、イラストの入り具合、さらに記事の内容、奥付けに至るまで議論を重ねて頂いた。
 授賞式では、はじめての試みとして、記念パネルディスカッション「編集というくすり ー俳誌の今、そして未来 ー」を開催した。
パネリストは能村研三(沖主宰)、佐怒賀正美(秋主宰)、鹿又英一(蛮主宰)の三氏。
司会は秋尾敏が務めた。三誌の成立事情、課題、主宰と編集部との関係などが語られ、また、主宰の編集に対する思いなども吐露されて、充実した時間となった。


十一月三十日
秋の吟行会は、千葉県市川市のJR本八幡駅周辺を散策した。永井荷風、水木洋子などのゆかりの地で紅葉や黄落を堪能した。

  • 第一位
  • 駒止めの石のふくらむ小鳥かな
  • 鍬守 裕子
  • 第二位
  • 伝説は藪の中なり冬の空
  • 平岡 育也
  • 第三位
  • 踏切が開く黄落の明るさに
  • 表  ひろ
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