全国俳誌協会 流派・傾向を越えた懇話会的な俳句の交流の場

全国俳誌協会

 -National Haiku Magazine Association-

平成25年度の活動 -全国俳誌協会-

全国俳誌協会は昭和三十九年に設立され、今年が五十周年である。
一貫して、流派、傾向を超えた交流の場を作り出すという使命を果たしてきた。
 その五十周年を記念し、十月には第四回編集賞の授賞式と兼ねての祝賀会をシェラトン都ホテル東京において開催。
当協会としては、まことに充実した一年となった。  一年の活動を順に振り返る。

 

四月十三日、第五十一回春季吟行俳句大会を開催。
東京都葛飾区の柴又帝釈天をめぐり、葛飾区社会体育会館において句会を行った。

  • 第一位
  • 雲に乗りきれぬ春愁舟が着く
    撫でてみよ開かずのトランクに桜
  • 赤羽根めぐみ
  • 第二位
  • フーテンの足はどこ向く芝桜
    牡丹咲くちょっと啖呵を切ってみる
  • 紅林美津子
  • 第三位
  • 惜春の土手は斜めに登るもの
  • 山﨑 政江

句会後は料亭「川千家」において恒例の懇親会を催した。


 

第十九回全国俳句コンクールには、今年も目標の一千句を越えた応募を頂き、協会賞一名、優秀賞三名、秀逸賞八名、佳作五十三名が選ばれた。

  • 協 会 賞
  • 目刺焼く昭和の色に焦げるまで
  • 松本 静顕
  • 優 秀 賞
  • 菜の花は母を迷子にしてしまう
  • 山﨑 政江
  •  
  • 涼しさや石工が石を裸婦にして
  • 和田  仁
  • 秀 逸 賞
  • 雪吊の頂点に星あふれけり
  • 小畑 晴子
  •  
  • 畳屋が来て小春日を裏返す
  • 加藤 法子
  •  
  • 寒卵立ち上がろうとしたことも
  • 月村 青衣
  •  
  • 巣箱みな入口丸し春日さす
  • 大堀 祐吉
  •  
  • 水は水脱いで噴水天めざす
  • 表  ひろ
  •  
  • 鳥渡る手ぶらで帰るお父さん
  • 相沢 幹代
  •  
  • 結界の光を張りし冬の蜘蛛
  • 鍬守 裕子
  •  
  • 日向ぼこみんな空気になってゐる
  • 波切 虹洋
                 

 

六月二十九日(土)には、「第五十回定時総会・俳句大会」を、東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎第一会議室において開催。総会では、本年の行事等が審議され、原案通り可決され、新常任幹事として、小笠原至、礒貝尚孝、赤羽根めぐみが就任。新役員として幹事長・佐藤晏行、事務局長・田村隆雄、編集長・大川竜水、監事・田口青江が就任した。  総会終了後は俳句コンクールの表彰式と俳句大会が行われた。俳句大会の結果は次のとおり。

  • 第一位
  • 血縁のよき距離ありて豆の花
    余生とは有るようで無し紫蘇刻む
  •  山中とみ子
  • 第二位
  • 風鈴を窓辺の富士に吊るしけり
    言い出せぬ言葉に廻す白日傘
  • 橋本 和葉
  • 第三位
  • 目が合って遊びたそうな金魚買う
    恋をする星に生まれて蛍です
  • 鍬守 裕子
     

終了後は、「八吉」に会場を移し、懇親を深めた。

        

六月二十九日(日)には、「第五十一回定時総会・俳句大会」を、東京都中央区入船のハロー貸会議室八丁堀において開催。総会では、本年の行事等が審議され、原案通り可決された。
総会終了後は俳句コンクールの表彰式と俳句大会が行われた。俳句大会の結果は次のとおり。

  • 第一位
  • 推敲を重ね金魚の泡ひとつ
    梅雨に入る無音をつめたガラス瓶
  • 星野 一惠
  • 第二位
  • 野放図になるしかなくて梅雨の蝶
    ハンモックに重過ぎまいか夜のバッハ
  • 木之下みゆき
  • 第三位
  • 洗髪の指が探している出口
    大青田現人神は手を振れり
  • 表  ひろ

終了後は、福福屋に会場を移し、親睦を深めた。


十月二十四日(木)。本年度の編集賞は、協会創設五十周年の祝賀を兼ね、本阿弥書店と俳句図書館鳴弦文庫の後援を頂き、東京都港区のシェラトン都ホテル東京において授賞式・祝賀会を開催した。
九十名を超える出席者があり、五十年の歩みを確認し、これからの進展を誓い合う盛大な式典となった。
受賞誌は次のとおり。受賞誌には記念の楯と総額十万円の賞金が贈られた。

  • 編  集  賞 「秋」(佐怒賀正美主宰)
  • 編集賞特別賞 「雲云」(山本千代子主宰)

審査委員は昨年に引き続き、俳人の池田澄子氏、近代俳誌の研究家である東海大学教授の伊藤一郎氏、俳誌編集のプロである本阿弥書店の田中利夫氏の三氏。
選考にあたっては、形式、内容の両面から詳細にご検討をいただいた。
 授賞式では、当協会顧問、現代俳句協会副会長の高野ムツオ先生に「私の俳句遍歴」と題したご講演をいただき、高校時代の文芸誌に始まり、「海程」「小熊座」に至る俳誌との関わりをお話し頂いた。最後に紹介された「天狼」創刊号に山口誓子が記したという「漂ひ漲るものは、友情であつて、必らずしも主義主張ではない」という言葉が心に残った。
全国俳誌協会も、たしかにそうであろうと思ったからである。


十一月二十九日。秋の吟行会は、東京都新宿区の都庁、新宿中央公園周辺を散策し、家庭クラブ会館で句会を行った。

  • 第一位
  • 街は冬人間だんだん膨れ出す
    冬東都積木の空が崩れ出す
  • 手塚 玉泉
  • 第二位
  • 新宿は火薬の匂い人等枯れ
    無頼派も老いて海鼠となりいたる
  • 久野 康子
  • 第三位
  • 園丁の掃けど掃けども落ち葉降る
    冬木の芽詩の発酵は寡黙から
  • 井上 佳子

参加者は三十八名と例年より少なかったが、新しいメンバーも増え、若手の参加もあって熱のこもった句会となった。
句会後は、新宿NSビルに新しくできたすし屋銀蔵にて懇親会を開催。
ここでも俳論、文化論にと話の花を咲かせた。

現在、協会設立五十周年記念句集を企画、製作中である。当協会としては久し振りのアンソロジーの刊行ということになる。佐怒賀副会長を刊行委員長とし、既に百五十名を越える参加者が集まっているので、五十周年にふさわしい句集が編まれるものと期待される。

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