全国俳誌協会 流派・傾向を越えた懇話会的な俳句の交流の場

全国俳誌協会

 -National Haiku Magazine Association-

平成30年度の活動 -全国俳誌協会-

 

全国俳誌協会、この一年

 第七回編集賞授賞式を、平成二十九年十二月十五日(金)に、東京上野の上野精養軒で開催した。審査委員の恩田侑布子氏、田中利夫氏にご講評を頂き、編集賞を「汀」(井上弘美主宰)、編集特別賞を「天荒」(野ざらし延男代表)が受賞。俳誌刊行への熱い思いを語り合う有意義な会となった。また記念講演の玉城司先生は蕪村の新資料をお示し下さった。
 第二十四回全国俳句コンクールには七百句の応募があり、以下の結果となった。

  • 協会賞
  • 憲法記念日山椒魚は動かない
  • 東  國人
  • 優秀賞
  • 長生きの途中鰻丼食べてをり
  • 奥村 利夫
  •  
  • 鰯雲リュックの中のハーモニカ
  • 井上つぐみ
  •  
  • 春田打ち村中の水動き出す
  • 河口 俊江
  •  
  • ちちははの日向ぼっこの墓標かな
  • 高木ヤエ子
  •  
  • 切株と少女は春の詩のかけら
  • 山口  明
  •  
  • 手袋を脱ぐとき主婦の顔になる
  • 保坂 末子
  •  
  • 雑踏を振りきるようにコート脱ぐ
  • 星野 一惠
  •  
  • 日向ぼこ母の風化が止まらない
  • 山﨑 政江

 

第二回協会賞には二十四編の応募があり、高野ムツオ、能村研三、佐怒賀正美、森岡正作の四氏の審査の結果、次の結果となった。

  • 協会賞 後藤よしみ(「鷗座」)
  • 韃靼海峡一面の蝶の翅
    氷とも磁器とも違う父の頬
    流離なる残花の窓を開け放つ
  • 協会賞準賞 加賀荘介(「出航」「季刊芙蓉」)
  • 夜は雨のにほひとなりぬ沈丁花
    代るがはる棒で撫でやり蛇の葬
  • 協会賞佳作 清野敦史(軸)
  • 淡彩の手紙たづさえ冬木立
  • 協会賞佳作 白石喜久子(「晨」「円座」)
  • 草笛や空の扉を開かんと
  • 協会賞佳作 中岡昌太(「未来図」「朱夏」)
  • 軍港といふきさらぎの黒き湾
  • 協会賞佳作 菅原健一(「出航」「沖」)
  • 冬林檎まるかじりして反論す
 

第二回新人賞には、北海道から沖縄まで二十二名の応募があり、神野紗希、日野百草、赤羽根めぐみ三氏の審査により次の結果となった。

  • 新 人 賞 星野いのり(「炎環」)
  • 真孔雀の尾は人日の地を均す
    梅園を地割れの如く枝の影
    石室の入口渇きゐる枯野
  • 新人賞準賞 原 英(「ひまわり」「奎」)
  • 竜天に登れネクタイ締めていけ
    羽毛より軽く春雲より重い
  • 新人賞佳作 甘利大雄
  • 雲の峰スーツの袖を掲げおり
  • 新人賞佳作 井口可奈
  • 新入生手の洗い方忘れけり
  • 新人賞佳作 姫草尚巳(金沢大学俳句会)
  • 白線にそって歩けと夏休み

全国俳句コンクール、協会賞、新人賞の授賞式は定時総会において行われた。


 

六月二十三日、第五十五回全国俳誌協会定時総会を東京四谷のエムワイ貸会議室において開催。
事務局より、事業報告、収支報告、事業計画、予算案の提案があり、満場一致で可決された。
続いて、全国俳句コンクール、協会賞、新人賞の表彰が行われた。
 当日句会の結果は次のとおり。

  • 第一位  安田 政子
  • さわさわと生きて夏足袋汚しけり
  • 第二位  星野いのり
  • 空襲や樹は明易に影となる
  • 第三位  秋尾 敏
  • マンゴーを昨日のことのように食う
  • 第四位  松本千賀子
  • 父の日や遠いマイルドセブンの香
  • 第五位  島 隆史
  • 傾きが独りよがりの夏帽子

 

十一月二十九日(木)、東京新宿区の漱石山房において、第六十回秋季吟行俳句大会を開催。三十名の参加があり、漱石山房の素晴らしさもあって充実した吟行会となった。

  • 第一位  森岡 正作
  • 漱石の髭に隙あり冬の蠅
  • 第二位  石口 榮
  • 猫塚にそれからがあり冬はじめ
  • 第三位  島 隆史
  • 冬の格子戸それからを引き寄せる
  • 第四位  相沢 幹代
  • 甘味屋の冬陽ころがる神楽坂
  • 第五位  加賀 荘介
  • 漱石の頬杖借りて冬あたたか
  • 第六位  杉浦 一枝
  • 文机は漱石のへそ石蕗咲いて
  • 第七位  前田さつき
  • 北風や狛犬「ん」と口つぐむ
  • 第八位  日野 百草
  • 漱石のこころもそれからも小春
  • 第九位  赤羽根めぐみ
  • 吾輩の墓見る野良よ小春日よ
  • 第十位  木之下みゆき
  • 山房の五臓六腑に小鳥来る
       

 昨年から今年に掛けて、新たに六誌に加盟を頂いたが、七誌が廃刊となり、加盟誌の数はほぼ変わらなかった。
主宰の他界などが続き、俳句界の先行きが案じられるが、その中でインターネットで募集した新人賞(四十歳以下)に、全国から二十二編の応募があったことに力づけられた。

        
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